ほとんどの手術で使用されるのがペアンとコッヘルです。
病棟では良く混同されていることが多いです。
もともとこの2種類の鉗子は止血目的で使われるものです。使用方法は、出血部位を挟んで圧迫止血するのが一般的ですが、ほとんど止血鉗子としての使用はされていないのが現状です。
この2種類の違いは鉗子の先に鈎があるかないかです。
こちらがペアンで
こちらがコッヘルです
実際の使用法としては、ペアンは主に血管を糸で縛り血流を止めて血管を切る手技(結紮)時の糸を医師に渡す際にペアンの先で糸を掴み渡す(ペアン糸)際に使用します。その時には一般的に曲りのものを使用しますが、病院によっては直を使用します。そのほか、比較的柔らかくかつ内臓以外の組織を鋏むことにも使用されます。
コッヘルは、止血監視としての登場もありますが、皮膚の下から筋肉の上の限られた範囲で使われます。そのほか、鈎があるので、滑らず把持力もそこそこ強いので筋膜の把持や、腹膜の把持・骨の把持に使用されることもあります。また、ツッペルという剥離用のガーゼの小さな球を挟むときにも使用されます。そんな使われ方をするので当然曲がってしまうことも多々あります。ペアンであれば曲がってしまえば即引退(破棄)ですが、コッヘルはそう簡単には引退せず、余生として消毒用の鉗子としての道も残されています(病院によってですが)。そして、消毒をはさむことができないくらい把持力がおちてしまったら引退となります。
このように使用法は違う2種類の鉗子ですが、見た目はほとんど同じで見分けがなかなか付けられず、渡したら違いましたなんたこともあります。確実な見分け方法は鉗子の先を凝視するか、開いて鈎の有る無しを確認するのが安全ですが、これ以外でもひと目でどちらがペアンと見分ける方法があります。それが、鉗子のとって近くの溝のあるなしです。
このような溝(刻印)がある場合にはペアンです。
こんな感じで見た目が同じペアンとコッヘルを使い分けています。
0 件のコメント:
コメントを投稿